12.12


Fine. (1)

Fine. (1)

  
ファイン (2) (ビッグコミックス)

ファイン (2) (ビッグコミックス)

『Fine.』(1)(2) 信濃川 日出雄
ハチクロものだめもよかった。でも、私にとっての2006年度ベストコミックはこの作品。かつて、あるいは今現在、ファイン・アート(特に油画)専攻の男子と付き合っている、全ファイン系女子に告ぐ。読め、そして泣け!これは私たちのクロニクル(たぶん!)。帯文は銀杏BOYZの峯田が書いてるし、あらゆる意味で完璧

高校の美術科と予備校で油画を専攻していた私は、こういう作品を読むと、些末な色々(別名:青春の日々)を思い出してしまうよ。例えば、自分に都合よく夢をみること、ルーズな自由さ、天より高いプライド、信じられないくらい弱いメンタリティ、欠落と過剰、絵を描くこと取ったら何も残らないギリギリ感、強度の個人主義、命を削って作ること、そういうファイン特有の空気を全部思い出しちゃって、さらに「あの頃付き合ってたのはこういうヤツだった」なんて忘れられない思い出まで反芻しちゃって、異様に腹立たしかったり、悔しかったり。でもそういうファイン的要素は全部、自分も持ってるものなんだよね。だからこそ余計に、腹立たしさも後悔も3倍増しで押し寄せる。