12.06

夕方から六本木。南くんと待ち合わせてビル・ヴィオラ展へ。平日の夜だったからか結構空いてたけど、なんか中年カップルがやたら多かった気がする。黒の皮ジャケお揃いで着て、男性の方がちょっとだけ業界チックなフレーム眼鏡かけてて、やたら小物に金がかかってるような、the made in tokyoみたいなカップル(意味不明)。森美ってそういう人たちのデートスポットになりつつあるのかな?で、ヴィオラ。皆神妙な顔して見ているんだけど、私たちは最初の部屋から笑い通し。水打ちされてる男の作品、新聞の文化欄では崇高と紹介されていたけど、私にはカッパに見えてしまいました(カッパ=日本の妖怪)。ちなみに南くんにはドリフに見えたらしい。とにかく2人して同じような可笑しみを共有しつつ暗闇でケラケラ笑ってた。だって水流が脳天直撃なんだよ?絵としてヤバいよ。なんか、作家自身が自己イメージとしての崇高さを意識しすぎた結果、作品はものすごく通俗なものになっている気がする…それがカッパでありドリフなのかも?あと男女の感情の緩急の見せ方が、かなりベタ。これ1人で見ていたらきっと心が疲弊してるけど、2人だと笑い飛ばせるから不思議。でもきっと私たちにはヴィオラを見る目が無かったんだよね。そんな見る目のない2人的にはイマイチだったヴィオラをすり抜け展望台から夜景。空は晴れていて、もの凄い勢いで広がってく都市にネオンサインが点滅。心が洗われるようなそんな気分になって「この夜景、ロストイントランスレーションみたい」と恥ずかしいことを言ってみたら「ああ、あの薄っぺらい映画か、お前あれのどこがいいん?」とレスポンス。全部いいんだよ馬鹿野郎。寄り添うカップルの群れの中を「東京は広いなー」を連発しながら、今日みたいな完全な満月の夜は事故が多い話と、都会における妖怪の存在意義について話ながら一周。外に出て東京タワーを見た後ビール飲みながらヒルズ周辺をフラフラ。渋谷行きのバスに乗って恐ろしい京都のバスの話を聞く。109裏にある南くんオススメの台湾料理屋でお酒、ご飯、話、お酒、ご飯、話、話、話、煙草、話、話、お茶、話。明後日また会う約束をしてから終電で帰宅。
ロスト・イン・トランスレーション [DVD]