10.17

久々に大泣きした。
昨日MTGの後、久々に寄った研究室で作品を見せた。海外での制作状況を話していたら、ここは日本だから全部で生きずに7割くらいで生きろと言われた。理解されないことは残念なことだろ、と。自分は恒常的にどこかひねくれていて何かずれてる部分がある。それが時々度を越えて浮いてしまうことも知っている。だからそんな発言は気にならないはずだった。でも昨日は何故か堪えた。夜お風呂から上がって、7割で生きるなんてまっぴらごめんなんだよジジイ死ねと呟いたら泣けてきた。泣き始めのきっかけはそれ、だけどそれが引き金になって色々なことを連鎖的に思い出し数時間泣き続けるハメになった。
何年か前に出版社でバイトしていた時、自分と同じくらいの濃度の子に会った。帰国子女で頭が良くて恐ろしく仕事が早かった。ラノベ作家と付き合っていて、彼がスランプに入ると監禁されちゃうんですーと笑っていた。白い筋の走った手首を見せて自傷癖をあっけらかんとカムアウトしてきた。酒乱だった。バイト仲間で飲みに行くといつも大荒れだった。編集者を目指す早大生がなだめようと肩を抱くと良いカッコすんな!と叫びながら全身で拒絶していた。こいつなんとかしろよ、と誰かがうんざりした声で言って、その中で女は彼女と私だけだったから、いつも私がトイレに連れて行った。個室に2人で入って向き合うと、吐きたいよぅ…と泣きの入ったテンションで訴えてきた。私は吐き方を体得してたから、よっぽど教えてやろうかと思ったけど、この子に吐き癖が付くのは嫌だなと思ってとどまった。彼女も私もメータが振り切れていると言われていた。その通りだしそれで構わないと思った。
泣き過ぎの虚脱状態で彼女のことを思うと癒された。自分を持て余してドツボに嵌っている女を思うことはどんなヒーリングアートよりも今の私には有効だと思った。その後死んだように眠った。メンタルな涙にはストレスや不安を押し流す物質が含まれているって何かで読んだ。生理反応で流す涙とそれは違うのだ。言わば生体が生き延びる為に行う防御反応。そして生体に過負荷ががかかると脳は自動的に思考をストップして身体を強制的に眠らせる。全然大事にしてない身体が私を守ろうとしているなんて、素敵だ。